Thank you&Happy birthday



Sound Horizon Kingdom略してSHK。この国の国王陛下の誕生日の一週間前の今日、
国王陛下自らの手で作られた国民達がとある場所に集まっていた。

「出席をとりますよ!私とヴィオレット…ムシューもいて、」
「ルキアト…クロニカハ居ルゾ」
「ルキアちゃん…よく養父に怒られなくてすんだわね…私、黒の予言書置いてある書庫の鍵締め忘れたかも…」
「養父だって陛下のこと尊敬してるからでしょ?というか盗まれたらどうするのさ…」

都合上総勢6名。自分を生み出してくれた【生みの親】として、
自分の生まれ育った国の【国王陛下】として誕生日に何かサプライズを、と考えてここに集まった。
司会、指令役などを勤めるオルタンスとヴィオレット。情報の幅が広いクロニカとイヴェール。
行動の早いルキア。異様に高いタナトス。それぞれの個性、特技を生かして準備をする予定だ。

「では、私とオルタンスはここに居て通信機で皆さんの情報を集めて、整理します。」
「僕は何をすればいいんだい?姫君達…」
「「ムシューは大人しくクロニカさんの言うことを聞いていてくだされば結構です!」」

オルタンスとヴィオレットは笑顔で声を揃えてそう言い放つ。
イヴェールはひぃっと奇声を上げた。
イヴェールの奇声を気にも止めずそしてルキアさんは、と先にヴィオレットは話し始める。

「ルキアさんは…とりあえず一輪の赤い薔薇を10本ほど買ってきてくださります?」
「あ、はい分かりました!」
「ヴィオちゃん…私は何をすればいいのですか?」
「クロニカさんは…えーとですね、いい演出の為に「台本」を作っていただけますか?」
「台本?どうゆう感じですか?」

ヴィオレットとオルタンスが説明をしている間、SHK城では誕生祭の準備が着々と進んでいた。
それとは反対に今始まった陛下の誕生日の為のサプライズ。
ルキアは薔薇を買いに行き、クロニカは台本を作り、イヴェールがそれを手伝う。

「ァレ?我ハ何ヲスレバィィンダ?」
「あ。」
「どうしたの?ヴィオレット…」
「冥王さん、あなた背、高いわよね?」
「アァ、ソウダガ。我ノ背ガドゥシタ?」
「東の崖にある「幻の赤い実」採ってきてくれるかしら…?」

分カッタ。そう言い冥王は東へと歩き出した。
それぞれやることが決まり、行動し始める。
台本を作り、薔薇を買い、実を採り、情報を待つ。
台本の練習、実の調理の時間を入れれば少なくとも当日前に二日いる。
そんなに時間は無いとヴィオレットは思った。






Thank you & Happy birthday  1
(クロニカ…姫君達に冷たくされた…グスっ)
(私は一人で書庫に居るの。仲間がいるだけでいい方だと思いなさい。)